英米文化学会第157回例会


◆英米文化学会 第157回例会のお知らせ Printer Friendly
                (例会担当理事: 河内裕二)

日時:2019年03月09日(土)午後3時00分〜6時00分
   午後2時30分受付開始

場所:大東文化会館 4階K401・402教室 
(東京都板橋区徳丸2-4-21) 

【東武東上線】東武練馬駅より徒歩1、2分


※アクセスなどは大東文化大学の公式サイトをご参照ください。



懇親会:会場:「魚民 東武練馬北口駅前店(板橋区徳丸2-3-1徳丸スクエア 2F)
        (東武東上線の東武練馬駅北口を出てすぐ。徒歩1分です。)


時間:午後6時〜8時 懇親会のみの参加も歓迎いたします。
会費:3,000円



開会挨拶
(3:00−)
    英米文化学会会長 曽村充利 (法政大学)     

研究発表
1. コンラッドのカリカチュアとスピチュアリティー
―‘The Black Mate’とThe Shadow-Lineを通して―
(3:10−3:50)

    発表 渡辺 浩 (就実大学)
    司会 河内裕二 (明星大学)

2.Bend it Like Beckham: Football and New British Colonialism
(3:50−4:30)

    発表 上野俊一 (日本大学)
    司会 君塚淳一 (茨城大学)

----- 休憩(4:30−4:40) -----


3. アレン銃の描写に見るトウェインの技術文明批判
 
(4:40−5:20)

    発表 佐野潤一郎 (環太平洋大学)
    司会 内田 均 (横浜美術大学)


閉会挨拶
(5:20−)
    英米文化学会副会長 山根正弘 (創価大学)     

臨時総会
(5:30−5:50)

懇親会
(6:00−8:00)





研究発表抄録

1.コンラッドのカリカチュアとスピチュアリティー
―‘The Black Mate’とThe Shadow-Lineを通して―

渡辺 浩(就実大学)


 コンラッド(Joseph Conrad, 1857-1924) の作品の中で‘The Black Mate’(1906)とThe Shadow-Line (1917)には、「霊」に関する内容が登場する。作品の完成度とプロットの巧みな構成においては、後者のThe Shadow-Lineが高く評価されている。しかし‘The Black Mate’には、既に後者の原形となる要素が登場していることがうかがえる。霊あるいは霊的な存在に取りつかれて船を危うくする船長の存在や、霊に関連した問題に苦しめられる乗組員等は共通する要素である。しかし表現方法に関しては決定的に異なっている。‘The Black Mate’については多少狂気の性格を帯びる船長とBunter (Black Mate) との確執がカリカチュア的に描かれている。それに対しThe Shadow-Lineでは、霊的な力の恐怖に立ち向かう主人公の真摯な姿が描かれている。今回の発表においては、類似した要素をもつ二作品が、異なる表現を通して「霊」を扱う手法と、作家の「霊」に対する考え方を考察する。



2. Bend it Like Beckham: Football and New British Colonialism
Shunichi Ueno (Nihon University)


 Bend it Like Beckham (Chadha, 2002) features a young British Indian woman, who dreams of playing football professionally. When she is forced to make a choice between Sikh traditions and football, she settles the matter with her bend-it-like-Beckham technique. This film has been discussed in terms of the cultural interactions between nationality, ethnicity, class, and gender. A variety of characters throughout the film ensure that audiences’ empathy with the main characters deepens as the film progresses. In my presentation, I will argue that the narrative cementing of empathy between the audience and the main characters plays into the hands of a New British Colonialism, and the film’s undercurrents reveal a new practice of domination. British colonialism has always made active use of sports; such as, foxhunting, cricket, and football to portray “Britishness,” attracting international followers. One result is the England Premier League, one of the most watched sports leagues in the world; however, most of the teams are owned by foreigners, and none of the kit sponsors are from the UK. The sun never set on the British Empire that now enjoys an influx of foreign capital without having to leave the comfort of its own home.


3. アレン銃の描写に見るトウェインの技術文明批判
佐野潤一郎(環太平洋大学)


 旅行記『西部放浪記』Roughing It (1872)においてMark Twain (1835 -1910)は中西部から西部へ至る駅馬車の旅で出会った様々な事物に言及している。その多くは現物や現場と照合すると、読者の楽しみのために誇張してある。なかでも、この旅行記が記された1860年代に普及の初期にあった護身用銃アレンは、危険性を面白おかしく強調して描かれている。Twainは技術におけるイノベーションが人間の安全を保障しない典型を、アレン銃を通してユーモアの筆致で描き出した。アレン銃描写の誇張にみられる技術文明への揶揄が技術文明に惹かれる人間への嘲笑を含むことを考察し、人間の悪魔性を洞察したTwain後期の人間性批判が初期作品の技術文明批判から萌芽したことを論じる。











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