開会挨拶 (3:00−)
英米文化学会会長 曽村充利 (法政大学) 研究発表 1. キャロル作品における“queer”が表す意味 (3:10−4:00) 発表 堀秀暢(津山工業高等専門学校) 司会 佐野潤一郎(環太平洋大学) 2.ヴェトナム反戦映画としての『イージー・ライダー』 (4:20−5:10) 発表 大勝裕史 (早稲田大学) 司会 君塚淳一 (茨城大学) 3. 日本の英語教育に関するワークショップ 発言を促す簡易型KJ法:外国人教員に関する問題点と改善策 (5:20−5:40) ファシリテーター 田嶋倫雄(日本大学) ジェームス・ラセガード(法政大学) 閉会挨拶 (5:40−)
英米文化学会副会長 山根正広 (創価大学) 懇親会 (6:00−8:00) 研究発表抄録 1. キャロル作品における“queer”が表す意味 堀秀暢(津山工業高等専門学校) ルイス・キャロル(Lewis Carroll, 1832-1898)の作品において、形容詞“queer”がよく登場する。この語は“strange”, “odd”といった意味で使われている。これらと比較すると、使用頻度は“queer”の方が高い。この語は「曲がっている、斜めである」といった語源をもち、そこから「普通ではない」という意味が生じる。単に「変わっている」のではなく、ものごとを斜めに見る感覚が作品のテーマとして鍵となることを『不思議の国のアリス』(Alice's Adventures in Wonderland, 1865)と『鏡の国のアリス』(Through the Looking-Glass: And What Alice Found There, 1871)を例として考察する。研究手法として、ナンセンス文学理論を用いながら“queer”の語が登場するコンテクストでのはたらきについて明らかにする。 2. ヴェトナム反戦映画としての『イージー・ライダー』 大勝裕史(早稲田大学) 本発表では『イージー・ライダー』(Easy Rider, 1969)に埋め込まれたヴェトナム反戦のアレゴリーを解読する。第二次世界大戦時とは異なり、ヴェトナム戦争中(1965-75年)には、『グリーンベレー』(The Green Berets, 1968)などごく少数を除いてヴェトナム戦争を直接表象するハリウッド映画がほとんどなかった。しかしハリウッドがその戦争を完全に黙殺したとまでは言えない。例えば、ヴェトナム帰還兵の身体を通じてヴェトナム戦争に間接的に言及する映画は相当数あった。だが『イージー・ライダー』にヴェトナム帰還兵が登場するわけではない。にもかかわらず、国旗着用(flag wearing)と国旗焼却(flag burning)という同時代の対抗文化的なパフォーマンスを参照しながら、テクストに氾濫する星条旗の表象を分析するとき、同時代的の戦争に対する批判的な応答をこの映画に見出すことができる。 3. 日本の英語教育に関するワークショップ 発言を促す簡易型KJ法:外国人教員に関する問題点と改善策 ファシリテーター 田嶋倫雄 (日本大学) ジェームス・ラセガード(法政大学) 日本の高等教育機関において急速なグローバル化への対応が急務とされる中、外国人教職員の就労環境や教育・研究支援の改善も必須である。本ワークショップでは外国籍教員が主に就労環境で経験するであろう問題点と、それらに対する適切な改善・対処策を議論し提案できるようになることを目指します。各自が本テーマについて、@存在していると思われる問題点を文字化して認識、A小グループ間で具体的改善策を考案、B会場内で他者グループとの共有に段階的に参加することになります。テーマについての議論のみならず、教室内アクティブラーニングとして実施可能なグループワークであるかも念頭に置きつつご参加ください。 英語・日本語のどちらでも参加可能です。言語は自由にお選びください。 |