◆英米文化学会 第143回例会のお知らせ (例会担当理事: 河内裕二) 日時:平成26年3月8日(土)午後3時00分〜6時00分 午後2時30分受付開始 場所:法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎5階S505 【JR線】総武線:市ヶ谷または飯田橋 【地下鉄線】都営新宿線:市ヶ谷 東京メトロ有楽町線:市ヶ谷または飯田橋、東京メトロ東西線:飯田橋 東京メトロ南北線:市ヶ谷または飯田橋、都営大江戸線:飯田橋駅他下車) 懇親会:会場:ボアソナードタワー25階「スタッフ・クラブ」 (法政大学市ヶ谷キャンパス内) 時間:午後6時〜8時 懇親会のみの参加も歓迎いたします。 会費:3,000円 開会挨拶 英米文化学会副会長 曽村充利 (法政大学) (3:00−) 研究発表 1. Influences of Indian English on Nepali English Newspapers (3:10−3:50) 発表 Buddhiman Tamang (大東文化大学大学院) 司会 北林光 (大東文化大学) 2. 騎士社会からの逸脱と復帰: マロリー「トリストラムの物語」における狂気からの回復 (3:50−4:30) 発表 長谷川千春 (新東京歯科衛生士学校) 司会 相良英明 (鶴見大学) 休憩(4:30−4:40) 3. Chiori MiyagawaのThousand Years Waitingにみる 劇的要素としての物語と記憶 (4:40−5:20) 発表 古木圭子 (京都学園大学) 司会 河内裕二 (明星大学) 閉会挨拶 英米文化学会会長 小野昌 (城西大学) (5:20−) 総会 (5:30−5:50) 研究発表抄録 1. Influences of Indian English on Nepali English Newspapers Buddhiman Tamang (大東文化大学大学院) Nepali English language newspapers are influenced by Indian English. Nepal and India have strong ties (cultural, educational, political, and geographical) and education in India is one important means of influencing Nepali English by Indian English. Contemporary corpora have been collected from the five main daily Indian and Nepali English newspapers and consist of the press editorial and press reportage sections. Similarly another Indian written corpus, the Kolhapur Corpus, has also been used as a main data source. By using three corpora (Kolhapur, Indian Press Corpus (2013) and Nepali Press Corpus (2013)), an attempt is made to seek how Nepali press English is influenced by Indian English with the expectation that a large number of vocabulary items from the various native languages of India will be found as loan words in Indian English and that these vocabulary items will have also entered into Nepali English. The two press corpora collected online and the Kolhapur Corpus are analyzed using KWIC software. Discussion concerns how loan words from Indian English derived originally from native Indian languages are put to use in contemporary Nepali press English. 2. 騎士社会からの逸脱と復帰: マロリー「トリストラムの物語」における狂気からの回復 長谷川千春 (新東京歯科衛生士学校) サー・トマス・マロリー(Sir Thomas Malory)の『アーサー王の死』(Le Morte Darthur, 15世紀 後半)に登場する騎士の中でも、トリストラムの狂気とその状態からの回復は、彼の騎士としての成 長の過程で必要不可欠な経験として描かれている。まず、幼少の頃から良い騎士になるように養育さ れたトリストラムの騎士としての実力は、歴戦の相手に勝利する場面で強調される。その一方で、愛 のすれ違いにより発狂したトリストラムが森で放浪生活をする状況が描かれ、騎士としての体面が完 全に失われたかのような描写も見つかる。その後、恥ずべき姿をさらしたトリストラムは再び騎士的 な言動を取戻し、さらに成長した騎士であるかのように描かれる。本発表では、異常な程の精神状態 に至り騎士社会から完全に逸脱したとしても、正気に戻っていく過程が重要視されている「トリスト ラムの物語」(‘The Book of Tristram’)を分析し、『アーサー王の死』の騎士と狂気の関係性を考 察する。 3. Chiori MiyagawaのThousand Years Waitingにみる 劇的要素としての物語と記憶 古木圭子 (京都学園大学) Chiori MiyagawaのThousand Years Waiting (2006年初演) においては、『更級日記』の作者が『源 氏物語』を読む行為と、ニューヨークの現代女性が『更級日記』を読む行為が同時進行し、直接セリフ を交わさずに、物語がみずからの人生を形成してきた過程について、各人物が語る設定となっている。 こうして物語としての書物が介在することによって、日常の人間関係における時間や空間が取り除か れる。さらに、アジア系アメリカ演劇界においてタブー視されてきた人種、ジェンダーにとらわれない キャスティング、つまり、日本人女性として設定されている人物を白人女性が演じるという試みも、 本作の上演においては「境界」を超える試みの一つとして取り入れられている。以上の観点から本発 表では、物語を読むという行為、そしてその行為が呼び起こす記憶が、時間、空間を越える劇的要素 として、本作でどのように機能しているかについて考察を行う。 *例会会場の詳しい交通アクセスは以下の法政大学ホームページをご覧下さい。案内マップ 法政大学のホームページ
連絡先 例会担当理事 河内裕二 YujiKawauchi(at)ses-online.jp