◆英米文化学会 第142回例会のお知らせ (例会担当理事: 河内裕二) 日時:平成25年11月9日(土)午後3時00分〜6時00分 午後2時30分受付開始 場所:日本大学歯学部4号館3階第3講堂<地図は最後に> (JR 御茶ノ水、営団千代田線新御茶ノ水、都営新宿線小川町他下車) 懇親会:会場:日本大学歯学部3号館地下ラウンジ 時間:午後6時〜8時 懇親会のみの参加も歓迎いたします。 会費:1,500円 開会挨拶 英米文化学会会長 小野昌 (城西大学) (3:00−) 1. G. M. ホプキンズの“Cockle's Antibilious Pills”におけるユーモア (3:10−3:40) 発表 石川英司 (大東文化大学大学院) 司会 蒔田裕美 (法政大学) 2. ヴァラエティ劇場時代のロンドン・コリシーアム 寄席と劇場の関係 (3:40−4:10) 発表 赤井朋子 (神戸薬科大学) 司会 藤岡阿由未 (椙山女学園大学) 休憩(4:10−4:20) 3. Mormonism and Mormon families in popular culture (4:20−4:50) 発表 Thomas Hardy (Keio University) 司会 田嶋倫雄 (日本大学) 4. ガーヴェイとワシントンにとっての大衆・教育・自立 (4:50−5:20) 発表 君塚淳一 (茨城大学) 司会 大橋稔 (城西大学) 閉会挨拶 英米文化学会副会長 大東俊一 (人間総合科学大学) (5:20−) 研究発表抄録 1. G. M. ホプキンズの“Cockle's Antibilious Pills”におけるユーモア 石川英司 (大東文化大学大学院) ジェラード・マンリー・ホプキンズ(Gerard Manley Hopkins,1844-89)は、1883年刊行の The Stonyhurst Magazine の中で、トリオレ(triolet)の一つとして“Cockle's Antibilious Pills” を発表した。その中で彼は当時では最先端の医薬品を通して、イングランド国内外の情勢や 人々の生活をユーモラスに表現した。この詩の名であるCockle’s Antibilious Pillsは ジェイムズ・コックル(James Cockle, 1782-1854)によって発明され、胆汁過多、消化不良、 胸やけなどの症状に効力があるとされた医薬品である。本発表では、“Cockle's Antibilious Pills”が発表された当時の時代背景やこの詩に関連する人物たちと薬品との関係、特に ジェイムズ・コックルとその当時の英国王室との関係そしてこの医薬品の広告に登場する フレデリック・ギュスタヴ・バーナビ−(Frederick Gustavus Burnaby, 1842-85)とホプキンズ との関係を考察し、この詩に見られるホプキンズのユーモアについて歴史的・文化的観点から論じる。 2. ヴァラエティ劇場時代のロンドン・コリシーアム 寄席と劇場の関係 赤井朋子 (神戸薬科大学) 現在イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)の本拠地として知られるロンドン・ コリシーアムは、1904年にヴァラエティ劇場として建設された建物であった。ヴァラエティ 劇場とは、時代の変化に応じて進化発展した新しいタイプのミュージック・ホールのことで あるが、ヴィクトリア朝時代の伝統的なミュージック・ホールとは異なり、1回の上演 プログラムが、寄席演芸、バレエ、クラシック音楽、オペレッタ、レヴュー、一幕劇、映画など、 様々なジャンルやメディアから構成される異種混淆的なものであった。高級文化と大衆文化が 混在するこの奇妙なプログラム構成からは、時代の変化に伴う様々な矛盾が読み取れるが、 本発表ではその矛盾の一つとして、ヴァラエティ劇場への正規劇俳優の出演をとりあげ、 当時のロンドン・コリシーアムがどのように多様なエンターテインメントを生み出し、豊かな 演劇文化の発展に寄与していたかを論じる。 3. Mormonism and Mormon families in popular culture Thomas Hardy (Keio University) Mormons and Mormonism have long occupied a special niche in the imagination of writers about the American experience. Two themes in Mormon thought -- materialism and progress -- resonate in Mormon families. Materialism is an acknowledged American trait. Mormon thought takes the notion and runs with it. Mormons are actively engaged in materially and morally building God’s kingdom on earth. Further, in one understanding, everything is material, including God. Progress is an equally important American belief. Mormonism, though not alone, believes that the world is progressing to a teleological end. Mormons add to this a notion of eternal progress. These abstract themes are visible in Mormon families. In formal teachings, families are progressive, eternal, the material center for fulfilling the commandments of God, and a microcosm of Church structures and relationships. These beliefs shape family life. Demographics, family roles (including patriarchy and gerontocracy), omnipresent Church activities in daily life, and the residue of polygamy are common experiences in many Mormon families. These abstractions are visible in many cultural products dealing with Mormon families, such as “A study in scarlet” and “Big love”. 4. ガーヴェイとワシントンにとっての大衆・教育・自立 君塚淳一 (茨城大学) 1920年代、マーカス・ガーヴェイ(Marcus Garvey, 1887-1940)は、民族主義やアフリカ回帰運動など、 そのガーヴェイズムと称される活動で、米国のみならず多くのアフリカ系の大衆を魅了した。その彼が 米国での活動以前、職業訓練学校を設立し成功を収めていた指導者ブッカー・T ・ワシントン(Booker T. Washington,1856-1915)の教育活動に関心を抱いていたことは知られている。19世紀末から20世紀初頭に 活躍したこのアフリカ系指導者ワシントンとガーヴェイが、大衆を相手に自立に向けた教育をいかに考え、 またこの二人が当時のもうひとりの指導者W.E.B.デュボイス(W.E.B. DuBois,1868-1963)にとって、なぜ 批判の対象となったのか。ガーヴェイを中心に、共に再評価が進むワシントンとの関係をその重要な キーワードとなる大衆、教育、自立から論じる。 *例会会場(日本大学歯学部) 例会は4号館3階・懇親会は斜向かいの3号館地下です。 (JR 御茶ノ水、営団千代田線新御茶ノ水、都営新宿線小川町他下車)案内マップ 日本大学歯学部HP
連絡先 例会担当理事 河内裕二 YujiKawauchi(at)ses-online.jp